■第213段 株式会社組織について考える
(テーマ 商売の王道を知る) 平成18年2月20日
●社会のインフラをつくるための器
昔はナチスなど暴力で国民を支配したのに対し、現在は経済戦争であり、金を媒介にして、いろいろなものを支配しようとする。しかし、自由競争社会では、いくら金があっても人を制御できない。人の心は金では買えないのである。
鉄道・ガス・電力などの会社を考えてみよう。特定個人のお金儲けのために存在しているだろうか? 答えは「ノー」だ。
地震を想定するとわかりやすい。大きな地震が起こると、電車は不通になり、ガスや電気が止まる。これら企業に勤める人たちは泊りがけで、復旧に努める。
コンビニチェーンでも食料品や日用品を届けるために、配送経路の確保をする。そう考えると、みんなのために、会社は存在していることが理解できる。
それゆえ会社は社会的公器であり、社会のインフラをつくるための器なのだ。
ここで、株式会社組織の地盤を日本でつくった渋沢栄一について触れてみよう。
明治時代に近代国家へ向け、政府が国づくりを進めた。それに限界を感じた渋沢栄一が大蔵省を辞職。実業人として欧州の株式会社組織に倣い、銀行、保険、造船、ガス・電力などの株式会社の設立を推進。約500社とかかわり、資本主義的経営の確立に成功した。現在でも、日本経済の中枢を担う企業が多数ある。
渋沢栄一は、「真に国の発展を望むなら国を富まさねばならぬ。国を富ますには科学の進歩と商工業の活動によらねばならぬ。商工業によるには株式会社が必要だ。株式会社を経営するには道理によらねばならぬ。道理の基準は論語によるほかない」と説いている。
●金の論理で買収はできない
渋沢栄一の表現を次のようにいい換えることができる。
株式会社は資本を調達して、大きな事業を行う組織であり、社会のインフラを整える器。社会を発展させ、人々がいい暮らしをするために必要不可欠なもの。経営者は、株式会社組織の存在意義について咀嚼(そしゃく)しなければならない。
では、堀江社長や三木谷社長はどうだろう。上場を果たしたベンチャー企業は、株が上向いてきたこともあり、資金調達がしやすくなっている。彼らは、その資金を使ってM&Aをして、一気に自己増殖をしたいという狙いがある。だから、金の論理で買収を進める。そのやり方は、株式会社の経営の道理と大きくはずれているといわざるをえない。
M&Aをして会社を大きくするには、どれだけ社会に貢献できるのかをきちんと説明する責任がある。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
(一言)
プロポーズで、金の話しをする、奴がいるかーーー。
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