■第568段 稲盛流「コンパ経営」とは
(シリーズ 従業員をうまく仕切る) 平成28年12月19日
●京セラ躍進の秘密
究極の飲み会で最強の組織を作ったといわれるのが、京セラならびに第二電電(現KDDI)の創業者であり、日本航空(JAL)の再建にも大きく関わった稲盛和夫氏だ。スマホ事業などで安定した地位を築き上げている京セラの本社には、普通なら存在しえない設備がある。12階に鎮座する「100畳の和室」だ。
京セラ社員はここで夜な夜な「コンパ」を開くという。コンパといってもただの飲み会ではない。会社の陰口や仕事の愚痴を言い合うような普通の飲み会とは一線を画す、大真面目な飲み会だ。経営者と従業員、上司と部下、同僚同士が互いに胸襟を開き、仕事の悩みや働き方、生き方を本音で語り合う。酒を通して一人ひとりが人間的に成長し、組織を強固な一枚岩にするのが「稲盛流コンパ」だ。
京都・山科にあった旧本社や全国の主要な事業所に稲盛氏は必ず和室を備え、そこで従業員と車座になり、酒を飲んだそうだ。稲盛氏が約50年前に生み出した独自の飲み会は、従業員の考え方、組織のあり方を大きく変貌させ、結束力を上げ、業績を伸ばしたと言われている。
コンパを通じて自身の哲学を浸透させ、分身を増やし、組織全体のベクトルを合わせる。稲盛氏はこの手法を「コンパ経営」と呼んでいるという。
●人間との関係で仕事が生まれる
コンパを開かなくても昼間に会議室で打ち合わせを行ったり、個別に話したりすればいいと疑問を持つ人もいるかもしれない。特に最近は、「業務時間外のおつきあいはお断り」「上司と飲みに行くなんて考えられない」「残業手当出ますか?」と、会社の飲み会に参加しない若手社員が目立つ。
スマホのゲームに夢中になり、人づきあいが悪く、言われたフェーズをただやっているだけでは大きくなれない。「きちんと仕事しているのに、これ以上何か必要ですか?」という態度をとる頭のいい新入社員もいる。確かに知能指数が高く、処理能力にも秀でているかもしれない。だが、中身がない。
仕事は人間との関係で発生するものだ。なぜこの仕事を発注されたのか、全体の作業工程はどうなっているのか、自分以外の人はどんな動きをしているのかなどが見えず、言われたことをただ漠然とこなすだけでは、仕事に付加価値が生まれない。クライアントとまともな会話もできないだろう。会社が人間の集合体である以上、人に興味がなくては仕事にならない。時代のせいなのか、個人主義が強く、向上心が欠如した人が増えているのは残念なことだ。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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