■第610段 合理的な提案を心がける
(シリーズ ブラック問題を考える) 平成30年9月17日
●顧客のいうとおりにしない
いろいろな世界に共通していえることだが、顧客からの申し出をそのまま鵜呑みにして対応するのは、ダメ社長・ダメ営業・ダメ技術者のすることである。お客さんから何かリクエストがあれば、技術的に可能か、コストは適切か、時間的に間に合うか、もっと高いレベルの提案ができるかなど、依頼に対して多様な方面からアプローチし、考えなくてはいけない。
我々の場合は会計事務所だから、お客さんから「節税のために、これをして欲しい」と具体的に要望されることがある。しかし、それをただいわれた通りにやってはいけない。なぜなら、我々はプロだからだ。お客さんに最適な提案をしなくてはいけない立場の会計事務所が、いわれたことだけをそのままやるという対応を繰り返していては、専門家とは到底いえない。
●組織全体の損益を考える
例えば、不良品を出した企業が対策を求められているとする。そのケースで一番ダメなのは、「いままで2回やっていた検査を3回にします」と安易な気持ちで対策書を作って出すパターンだ。「3回検査するなら」とお客さんは承諾するかもしれない。しかし、検査を1回増やせばその分のコストが発生するという事実に思い至らなくてはいけない。
だから、「3回検査するなら価格が変わります。それでもいいですか。2検なら、このレベルでしか出せません」と、どちらかを言わなければいけない。何も考えずに、「対策をします。2検を3検にします。勘弁してください」と言ったら、それでもう赤字になってしまう。
お客さんにいわれたままをやるのではなく、より合理的な提案をすべきである。「技術的な問題でそもそも不良が出るのだから、そこをクリアする」「仕様を変える」など、根本的な改善を図らなければいけない。それをやらずに、工数をかけてさっさとその場しのぎの解決をしようと思うと、担当者の腹は痛まなくても、会社が損益的に痛む。やがて赤字が膨らみ、存続が危ぶまれる状態になっていく。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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