■第661段 後継者育成には10年が必要
(シリーズ 取締役会とは) 令和2年12月7日
●引退に向け、逆算して行動する
後継者が育つには10年はかかる。5年では短い。だから、10年後に引退しようと考えているなら、いま役員会をやり始めるべきだ。後継者育成にきちんと取り組む場合、通常の会社は候補者が30代くらいの若いうちからスタートするのが一番いい。既存の会社はサービスにお客さんがつくので、社長が変わってもサービスは続く。
士業の場合は事情が違う。10年間、役員会を重ねても候補者が独立するケースもある。また、サービスではなく私自身にお客さんがつくから、私がいなくなったら致命的だ。私に相談すれば1秒で解決することが他の人では3日経っても終わらないのだから、その差は大きい。たとえ料金が高くても所長である私に頼む方が早く、パフォーマンスも高い。
もし私が「娘に今後を託しますので、お願いします」と言っても、娘に力がなければ、お客さんはいなくなってしまう。我々士業の場合は後継者育成が難しく、自分と同程度のスキルが高い人に譲るパターンになる。
●会社の大きさは後継者の器で決まる
いよいよ会社を譲るとなったら、一気に譲るべきだ。ソフトランディングさせようと思ってはいけない。会社は譲った相手の器に合ったサイズになっていく。お客さんも従業員も、いなくなるならいなくなる。その見合ったサイズを許容しない経営者が多い。
大塚家具はしくじった。業況が悪くて結果を出せず、残念なケースだった。娘にとってやりづらい状況であったことは確かだが、跳ね返せなかったのは本人に力がなかったからだ。しかし、会社を譲った父が自分のとき以上に会社を大きくしろという理屈はわがままだ。任せないといけない。嫌なら誰にも譲らずに死ぬまでやればいいだけだ。
世の中のほとんどの会社は後継者がいないのだから、大塚家具はまだラッキーな方だ。若くして営業部長になってすぐに社長が亡くなり、後を継ぐ羽目になるパターンも多いが、経営的なことがわからないから苦労する。経営は微妙な利害関係の中で成り立っている。それが理解できないと、途端に会社がおかしくなる。役員を務めていてこそ微妙なところが見えてくる。10年で後継者を育成するつもりで、早めに始めるべきなのだ。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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