■第47段 黒字ならば倒産しないのか?
(テーマ 大局から経営を考える) 平成14年12月16日
●黒字倒産になる3つの理由
不渡りを起こせば倒産になるが、赤字だから、つぶれるわけではないし、黒字だから、つぶれないわけでもない。黒字でも資金繰りがうまくいかないで、倒産することはある。黒字倒産の基本的な概念としては、お金以外のことで会社がつぶれることだ。
まず黒字倒産で多いのは、在庫の問題。在庫をいっぱい持つと、仕入ばかりが発生して、売上はあとからになるから、その間に資金がなくなり耐えられなくなる。
第二に過剰な設備投資。月々の運転資金がかかるのに、手元の100万円で設備を買ってしまう。儲かっているからと計画しないで買うと、資金がショートする。第三に会社の重要な資源がなくなって倒産する。これにはいくつかのパターンがある。
1.従業員
社長とそりが合わない従業員がごそっと抜けて、別会社を設立。売上は人につくから、社長がいくらがんばっても顧客離れを起こし、売上は激減して倒産する。
2.取引先
得意先が1社ならば、取引中止になったとたんに、従業員はいるが仕事はなくなり、経費だけが出て、売上は立たなくなる。また売掛金や受取手形を回収する前に、その得意先が倒産すれば、そのあおりを受けて倒産に追い込まれる。
3.火災や事故
仕事があっても、たとえば工場が火事で焼けてしまったら、保険金は入るが、1年間工場が動かない。建物や設備だけの保険だと人件費分までカバーできない。また社長や根幹をなす従業員が事故に遭い、不幸にも亡くなってしまえば会社が回らなくなる。
●人、モノがなくては成り立たない
経営者は金だけを中心にして物事を考えがちだが、経営資源は「人、モノ、金」といわれるように、人、モノがなくなっても成り立たない。人が働いて、モノが稼働して、在庫が収益を生み出す。資金がショートするのは最後だ。経営資源はひとつひとつが利益を生む源泉だから、大切にしなければならない。
在庫と設備投資による黒字倒産は、急成長している会社で起こりがちである。経営者は会社を大きくしたいという夢があるが、成長するにはお金がいる。資金繰りをじっくりと考えて、計画的に成長させていく必要がある。これについては第48段で説明しよう。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
よろしければ、ぜひご購読をお申し込み下さい(Presented By )
サイト内検索
〒104−0045
東京都中央区築地2丁目11番9号RBM築地駅前ビル6階(地図)
TEL 03−3516−8941 FAX 03−6740−1328
E−Mail ace@jobtheory.com
URL https://www.jobtheory.com/
会社経営とは 戦う経営ブログ 社長の道!『仕事の徒然草』
前段へ 次段へ
TOP サイト内検索 テーマ別 日付順(No順) 最新号
|