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第107段 営業はくどき3 会う回数は問題ではない
 シリーズ モテる男は、モノも売れる) 平成16年2月9日

●コストとベネフィットで人を見ている

 学校や会社で、毎日会っていれば、いろいろな面が見られて、「会えば会うほど、その人を好きになる」ことも起こりやすい。相手のことがわかれば、好感度は上がっていくのも当然だからだ。しかし、組織外の場合はどうだろう?

 結論からいえば、回数は関係ない。会ったり、話したりする中で、コストとベネフィット(報酬)を秤にかけ、はじめて会ったときに、ベネフィットが多くないと、親しくならないからだ。

 わかりやすいのが男にとってのデート代である。これを考えてみよう。はじめてのデートで、男が彼女を落としたいと思って、フランス料理店に予約を入れたとする。楽しみに待っていたのに、彼女と話していても楽しくない。「ムダ金を投じたな」と感じて、二度と誘わない。あるいは、彼女からの誘いがあれば、次のデートは居酒屋にするのではないだろうか。

 それと同じことを女性もする。コストは新しい洋服を買ったり、メイクしたりという時間である。ベネフィットは、「好きだといってくれる」「知らないことを教えてくれる」「ほめてくれる」になる。ベネフィットがなければ、二度目のデートはなく、次の男を捜すのに注力する。

●その人に合うベネフィットが提供できるか

 ビジネスでも、「挨拶に来ました」と顔を出しても、それだけでは関係は強くならない。たとえ顔見知りの銀行の営業マンが、「新しい情報がありますので、お耳に入れたいと思いまして……」と来ても、儲かっている会社の経営者は忙しいから、会わない。情報ならば、メールやFAX、郵便で済むから、時間をかけて会うというコストがムダになるからだ。

 会ってもらうためには、事前にアポイントをとらなければならないが、銀行の営業マンであれば「お金があまっていませんか? こういう商品があるんですが、いかがでしょうか」とアプローチする。お金がない経営者は会わないし、お金があまっている経営者ならば会うことができる。ベネフィットがあると期待するから会うわけで、成約に結びつきやすい。つまりは、その人に合う商品を提供することは、お客さんのベネフィットになるというわけだ。


 文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
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