■第174段　諦めることから始める
　（テーマ　己を鍛える）　平成１７年５月２３日

●経営者は、絶対に期待するな

　商売では期待してはならない。ダメモトで始める。これが基本だ。期待ベースで行うと、失敗する。新商品を出すときに、「売れるはずだ」と期待していると、大量の不良在庫を抱えるリスクも大きくなる。

　例えば、ソフトウェア会社で売上のベースとなるソフトが１本あったとしても、追加で３本同時に開発を行うのは、かなり危険が大きい。経営者に「成功するはずだ」という思い込みが、その原因である。

　開発期間が長引き、商品化に至らなければ、人件費がかさむ。借り入れが膨らむと、経営破たんということにもなりかねない。

　経営者は絶対、期待してはならない。期待ベースで物事を組み立て進行すると、要所要所で狂いが生じる。経営者は常に最悪の事態が起きることを想定して進めなければならない。想定の範囲内であれば、解決策もすぐに出せる。

●危機感を持っていると、経営行動が違う

　何か新しいことを始めるときには、最悪の事態が起こったとしても、既存の商品やサービスで十分に儲かる地盤を整えて臨む必要がある。

　それでも、いろいろな意味での裏切りはある。そのときに、パーフェクトな人間はいない。人間の集合である企業も、パーフェクトではないと悟ることが重要だ。パーフェクトだと思っているから、期待する。

　最初から失敗すると思っていれば、その体力でしかやらない。儲かっている分しか、お金をかけないからだ。

　以前であれば、銀行融資を前提に規模の拡大ができたが、現在では難しい。だからこそ、経営者は期待しないという前提で行動しなければならない。

　文責　山田　咲道　公認会計士・税理士
　中央区の税理士　エース会計事務所　会社設立できる公認会計士　東京都

（一言）

　定めじゃ〜。

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