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第328段 ほめ上手になる
 (
テーマ 商売の王道を知る) 平成20年5月5日

●思ったこと、感じたことを表現する

 ほめるときにまず大切なことは、小さいことでもほめること。意識してほめるのではなく、いいなぁと思ったことをそのまま表現する。そうしないとウソになる。どんなことでも、どんな人でも、いいとことは必ずある。悪いところは、文句をいわずに勝手に直せばよい。「部下に足りないものを足す」のが管理職の役割である。

 第二は、ほめるのは「おだてる」「媚びる」とはまったく異なること。日本では、ほめる文化が根づいていないために、けなすことはできても、ほめることが苦手な人が多い。思ったこと、感じたことを表現するのは、おだてたり、媚びたりすることではない。相手を気持ちよくして、第327段のように釣りに連れて行ってもらう――。何かしてもらうことは、決して悪いことではない。

●ほめることは「感じること+表現力」

 第三は、素直に表現すること。たとえメールでも、「ひとかたならぬおもてなしにあずかり、感謝申し上げます」などのような堅い文章よりも、「昨日いただいた牛タンは絶品でした。仙台がますます好きになりました」と飾らない言葉のほうが心に響く。

 最後に加えておきたいのは、ほめるときには一流品や良いものを見る目があるかどうかも影響してくること。価値がわからなければ、ほめることができない。会社をはじめて訪れたときに、何を感じるか。多くの場合、社長のこだわりで空間は演出されている。

 調度品や絵画、観葉植物、花、出されるお茶やコーヒー、お菓子、その陶器など。こだわっているものを感じて、表現する。感じることと表現力はセットであり、日ごろから本物に触れ、審美眼や感性を養っておきたい。


 文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
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(一言)

 褒めるべき時に褒める、これが難しい。




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