■第436段　志とは５　本物の志
　（シリーズ　志を立てる）　平成２３年５月１６日

　それでは正しい志とは、なんでしょうか？　札幌農学校（現北海道大学）に初代教頭として着任したクラーク博士が、学校を去るときに最後に残した有名な言葉の全文が、参考になります。

　Boys,be ambitious.Beambitious not for money or for Selfish aggerandizement,
　not for that evanescent thing which men call fame.
　Be ambitious for the attainment of all that a man ought to be.

　少年よ、大志を抱け。金銭や利己的誇示の為ではなく、世の人々が名誉と称する虚しきものの為でもない。人として当にあるべきことを達成するために、大志を抱くべきである。

　前文は、大変有名な言葉ですので、誰でも知っていると思います。問題は、後半の文章です。クラーク博士は、志は金銭や出世や名誉ではないと、はっきり言っています。志とは、「人として当にあるべきことを達成する」ことと言っています。これは、いったいどういう意味なのでしょうか？

　私はをこれを長年考え抜いた末に、次のように悟りました。

　志とは、世のため人のために生きること。

　「人として当にあるべきこと」とは、生きがいということです。生きがいは、存在意義のことです。それは自分がこの世に人として尊い生を受けて、日々の努力精進によって、その個性を遺憾なく発揮して、人様のために尽くして生き抜くことです。夢や野望が自分のためのもの、志は世のための人のためのもの、というところが大きな違いです。

　だからこれからパン屋を始める社長には、次のような志を持って貰いたいと思います。

　素晴らしいパンを作って、多くの人を幸せにしたい。

　自己中心的な夢や野望から、社会のために貢献する志の違いを理解して下さい。志を強く持って、いかなる困難にも負けず真に実践実現していく努力を尽くしていく覚悟を決めることを、立志と言います。志が立てば、それが一生の行動原理となり、社長と会社を本当の成功に導いてくれます。世の中は夢や野望には応援することはありませんが、志を持っている人には、惜しみない応援をしてくれるからです。つまり天の力を使えるようになる、ということです。

　文責　山田　咲道　公認会計士・税理士
　中央区の税理士　エース会計事務所　会社設立できる公認会計士　東京都

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