■第465段 バックアップの概念とは
(テーマ パソコンで情報活用する) 平成24年8月6日
●大規模データ消失事故の原因
レンタルサーバー会社のファーストサーバが起こした大規模データ消失は、あまりにもひどい障害である。今回の事故では、セキュリティを高めるための更新プログラムにファイルを削除してしまうバグがあり、「ファイル削除コマンド」が「本番系」のみならず、同じサーバー内にある「待機系」「バックアップ系」のHDD(ハードディスクドライブ)に動作してしまった。メールサーバーやウェブサーバのみならず、データベースの設定など、企業の基幹システムも含めて何もかも消去してしまったのだから致命的だ。
更新プログラム自体に不具合があったことももちろんまずいが、いちばんの問題は、きちんとした「バックアップ」構造をとっていないシステム運用会社だったということだ。
バックアップデータは、本番環境とは違うサーバー、あるいは外部記憶装置に定期的にとっておくことが基本だ。たとえば、本番系のデータを3日前に丸ごとコピーしているなら、そのデータを復元することで、元の状態に戻せるのが本来のバックアップ。単純な情報提供ウェブサイトなどは、通常なら一両日中に復旧できるものである。いかに早くバックアップデータを復旧させられるかが重要なのだ。
●バックアップで見落としがちな点
そもそも、この「削除コマンド」を実施したときに、OS(オペレーティングシステム)段階で確認するか食い止めるプログラムを作ってリスク管理すべきだったが、それを怠っていたことになる。
また、同じサーバー内ではなく、絶対にアクセスできない外部環境に構築されているべきバックアップサーバーのデータにもメンテナンスプログラムの更新作業がなされてしまったわけだから、これではバックアップ手続きとはいえない。
月額の利用料が安いからという理由で、クラウドの原理原則から外れて、クラウド側にバックアップ機能までをも持たせていたのだから、恐ろしい話だ。
さらに、バックアップの対象はデータだと思われがちだが、データとプログラムの両方をバックアップしなければならない。わかりやすく言うと、エクセルのデータをバックアップしても、そのエクセルを開いて動かせる環境を作れなくては何の意味もないということだ。問題はデータではなくて環境のバックアップで、そのほうがよっぽど大切なのだ。
今のアプリケーションは、インターネットで手軽にバージョンアップが可能で、昔のデータのバックアップがあっても古くて読めないこともある。ファイルを動かすプログラムとファイルをセットで考え、環境ごとバックアップをとっていかなければならない。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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