■第484段 上司の言うことが通らない[その1:角を立てない日本人の国民性]
(シリーズ お役所しごと番外) 平成25年5月20日
●「肯定すれども動かず」という暗黙の了解
「お役所の病状」の3番目として、上司の言うことが通らないという点を指摘したい。
どういうことかというと、意に沿わないことを上司から言われたときに日本人は、否定をせずに「ハイハイ」と言う。言うけれど、実際にはやらない。「総論賛成、各論反対」を態度で示す。
これは、「嫌いなものを嫌いと言わない」国民性である。「文句を言いはしないけど、やらない」という国民性でもある。表面きってはっきり抗議することはないが、陰でよしとしないことは一切やらないのだ。「頷いているのに誰もやっていないということは、あなたの意見がおかしいってことだとわかってね」という暗黙の了解の世界である。
組織が大きくなればなるほど、正面からぶつからないかわり、放置する傾向が強くなる。日本人の奥ゆかしさの現れとも言えるだろう。いいとも悪いとも決めがたい日本人特性である。
だが、会社組織は本来、軍隊を目指さなければならない。なぜなら、最強の組織は軍隊だからだ。白を黒と言われておかしいと思っても、黒と言わなくてはいけない軍隊が理想の組織である。それを裏返せば、軍隊組織になっていない会社は弱いということになる。
●間違いを指摘する際の気配り
軍隊といえども、法律に抵触する命令には従う必要はない。コンプライアンスを遵守し、「それは違います」と言わないと、どうしようもない。
「お前、死んで来い」と命じられたら、「イヤです、死にたくありません」と言うべきで、お国のために特攻して散っていく美学はいまの日本にない。
軍隊組織は究極の組織ではあるが、公平公正な情報に基づき、自分自身の判断で最適な行動をとっていかなければいけない。
上司の言うことが間違っていると思うときもあるだろう。そのときは、もちろん指摘してかまわない。だが、言い方ややり方に気を配る必要がある。
手っ取り早く乱暴に物事を片付けてしまおうとして、卓袱台を目の前でいきなりひっくり返すのはルール違反で、とりあえず、ひっくり返すのは卓袱台の上のお茶くらいにすべきである。その際、熱いお茶が相手にかからないよう配慮できれば、さらに大きな効果を得ることができるかもしれない。
逆に上司の側も、自分の言うことを部下がやってくれない場合、言い方ややり方に問題がなかったかを見直したほうがいいだろう。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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