■第486段 上司の言うことが通らない[その3:企業の三大疾病を乗り越える]
(シリーズ お役所しごと番外) 平成25年6月17日
●労働契約を理解する
お役所というところは、お金を大切に使うという価値観がなく、何をどうすれば最適かという議論が欠落している組織である。事故が起きないと身にしみない。区議や町議が暴れて初めて物事が改善される。一市民として何かを望む場合には、匿名で市長への手紙を書くのがいちばん効く。
お役所は言われた通りに言われた仕事をやるだけで、いい仕事をしようという気持ちはさらさらなく、効率を求めない。頭を使わないけれど、作業はしているので、一定の給料が職員に支払われる。
一般の企業で遅刻が多い社員に「定刻に来い」と真正面から注意したとき、「給料から引いてもらっていいです」と、反省する態度が見られないとする。その場合、他の社員の手前もあるので、「遅刻するなら昇給しないし、査定が低いから賞与も少ない」と事実を述べて、相手に行動を任せるしかない。これでも是正しなければ、待遇面を見直すことになる。
お役所の場合、部長には実質的な権限がなく、課長がすべて決裁するパターンが多い。「上司のいうことが通らない」というより、上役が機能マヒに陥っている。部下に強く命じられないという特殊な構造を持っているのがお役所だが、矯正も訂正もしない状態で未熟な社員を雇い続けることは、従業員本人の人生にとって不幸である。経営的にも企業の社会的使命としても、是正させなければいけない。
●企業にとっての三大疾病とは
最終手段として、命じた業務命令をやらない場合は懲戒解雇の対象になり、3回目でクビにできる。労働法では解雇の禁止を規定しているが、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うのが労働契約(労働契約法6条)だから、きちんと労働を提供しなければ当然、労働契約は成立しない。労働契約をやめるか、ちゃんとやるかのどちらかだ。労働法の定めに則って、粛々と手続きを進めるだけである。
新刊『お役所しごと入門』では、お役所しごとの理屈を多様な面から説いている。
本シリーズでは、お役所が抱える病状についてまとめてみた。人間にとっての「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」という三大疾病を企業に置き換えれば、「会議が長い」「仕事が遅い」「上司の言うことが通らない」になる。
国家破綻したギリシャと同じ道をたどらないためにも、多くの企業に厄介な病気を克服してもらいたいと思う。拙著をお読みいただいた方々に新たな価値観と希望を与えて、少しでも社会に貢献できることを願っている。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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