■第509段 個を捨て集団を生かす武士道
(シリーズ 人事を学する) 平成26年6月2日
●優勝はみんなのおかげ
オリンピックに出場する人のコメントがいつの頃からか、「国を背負って、お国のために命を捧げます」ではなく、「楽しんできます」に変わってきた。また、以前は国のためにがんばるイメージだったが、いまは自分のためにがんばる人がほとんどだろう。どういうモチベーションでがんばるかは個々人の問題なので、悪いことではない。
金メダルをとった人はたいがい、「みんなのおかげです」と言う。マラソン競技なら、コーチがいて、トレーナーがいて、マスコミがいて、スポンサーがいて、サポーターがいて、周囲が盛り上げてくれて、自分を選んでもらって初めて成立する。だから、現実問題、「みんなのおかげ」は正しい。
あるテレビ番組で北野武氏が「自分のおかげですって正直に言えばいいのに。じゃあ、負けたらみんなの責任?」というようなコメントをしていた。北野氏のように個人で生きているのと、組織や集団を背負っている感性とはまったく違う。極論すれば、北野氏がいなくてもテレビ番組は成り立つ。
しかしオリンピックは、選手個人だけの努力でメダルを取れるほど甘いものではない。それがわからず、「自分の能力が高いから当然オリンピックに出る」という感覚では、決して金メダルをとれない。メダルはスタッフ全員の総力戦の結果なのだ。
●世の中のために働く
いまの日本は、あまりにも自分のために働いている人ばかりが多すぎる。「世の中のために、ほんの少しだけでもいいことをしよう」というのが私の心願である。
世の中のために働いたら欲しい給料や昇進がついてくる。逆に、その少しの努力を惜しむと、次第に会社の人間力が落ち、国力が落ち、全体的なレベルが下がっていってしまうことになる。
自分の利益を求めることをよしとしている教育の影響も大きい。もともと日本の武士道は個を捨て集団を生かす思想だ。ゼロ戦特攻隊は、自分を殺して集団を生かす最たるものだった。だが、新渡戸稲造の武士道では、その点についてうまく表現できていない。
いまや武士道が破綻し、集団を捨て個を生かす思想になってしまっている。集団を捨て、自分のために集団を利用する文化の代表は、アメリカだ。
武士道精神を根底に持っているはずの日本人が実際やっていることは、集団を利用して個を生かすことだ。本来の姿と矛盾している。
日本国をよくするために、世の中のために、がんばって働いてもらいたい。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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