■第523段 タダほど危険なものはない
(テーマ 商売の王道を知る) 平成27年2月2日
●値引く人には理由がある
仕事をするうえで最もよくないのはタダ仕事である。同様に、簡単に値引いて安くしてしまうこともいけない。その行為は会社自身だけでなく、自分自身をも危うくする。なぜなら、仕事の量が増え、品質を保証できなくなるからだ。価格を守って高く売るということは付加価値をつけることである。顧客は、よりよいサービス、クリエイティブなもの、創造的なものに期待しているのである。
価格をどんどん値引いてしまう弱い人は、まともなサービスを提供するつもりがない。値引くのではなく、自分の価値を上げなければならない。いい製品、いい商品、いいサービスを提供するために、しっかりと価格を主張できる人、会社にならなければいけない。
日頃、私は口を酸っぱくして、「タダの仕事はいっさいやってはいけない」と指導し続けている。担当者が言わなければ発覚しないため、経営者としてコントロールできない部分だからだ。たとえば、顧客には記帳代行契約しているパターンとしていないパターンがあるが、自身で記帳代行をするはずの会社から決算間際に領収書だけ送られてくることがある。それを担当者が黙ってやってしまうのだ。本来なら、突き返すか、あるいは記帳代行の代金をもらうか、どちらかにしないといけないケースである。
なぜ、契約外の仕事を顧客に差し戻せないのか。締め切りのある決算前に顧客と面倒な交渉をしたくない、報酬について話すのが気が重い、といった理由である。本人の腹が痛むわけではないから「自分でやってしまうほうが早い」という短絡的な結論になる。
●一度だけでも悪しき前例となる
タダで仕事をしたら当然、お客さまは喜んでくれる。そして、一度味をしめたら次もその次も、と期待する。担当者が代わったら、前任者はやってくれたのにとごねる。
こうやってサービス業の場合、日常的にタダ仕事が発生してしまうことになる。特に、パートナーや管理職クラスがタダ仕事に手を染め、悪しき前例を作ってしまうと示しがつかない。部下に相談された上司が、「めんどくさいから、やっちゃえば」とアドバイスするようでは、会社はめちゃくちゃになる。
社長はチェック機能だけ果たせばいいわけではなく、社長本来の仕事がある。しかし、時間を割いて厳しくチェックしないと会社が傾くので、やらざるを得ない。そして、厳しくやればやるほど経営効率が上がり、社員の残業がどんどん減っていく。社長の仕事量は反比例して増えることになるが、利益は出る。
難しいことではあるが、そういう風にやっていかないと中小企業は生き残れないだろう。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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