■第525段 価格を正しく主張する
(テーマ 商売の王道を知る) 平成27年3月2日
●顧客の立場に立ってはいけない
従業員のすることでもっとも注意すべきは、タダで仕事をしてしまうことと顧問料などの値段を勝手に崩してしまうことである。会社としてはできるだけ高く売らなくてはいけないのに、顧客から安くしろと言われると、逆に顧客の立場になって安くやってしまう。
私の事務所はいままでは最低月額3万円の顧問料と決まっていた。少し安めに標準値段を設定し、そこを最低ラインとして契約を取る。それなのに、その値段をさらに下げてしまう人がいた。挙句の果てには消費税抜きではなく税込みで契約することもあったのだ。
なぜそんなことになってしまうかというと、価格を高くする努力をしていないからである。私の場合、自分が直接担当すると、顧問料は月10万円である。お客さんがその値段で納得しないなら自分を切ればいい。10万円だったら10万円ときっぱり主張できるパフォーマンスが必要であり、結果を出さなければ納得させられない。
「あなたではなく、もっと安い人でいい」と言われないよう、自分に頼むとどんな得があるかを説得し、自分を磨き続けなければいけない。自分に価値をつけないと危ういということは、サービス業だけではなく、どんな会社にもあてはまることだ。
●原価割れの仕事が生むもの
本来、最低3万円のはずの顧問料を2万円に下げれば、原価あるいは原価割れの仕事になる。まったく利益を生まない仕事なら、やらなくてもいいくらいである。赤字の上に忙しい貧乏暇なしの事務所となり、利益が出ない。リストラのしようもない。サービス業の場合、低い値段で仕事をとることとタダで仕事をやることは同じ行為である。
一般の事業会社の場合は値引きをすることになる。美容院など、オーナーが定価に目を光らせている中小企業の場合は、個人の裁量で値段を勝手に下げることはありえない。出金の出口もレジで一括化されてるから、強制的に価格を下げられない構造になっている。
BtoCの場合は値段を下げにくいが、BtoBの場合は個別交渉できる。そのときに値段を下げることでしか主張できない管理職と営業マンが会社をつぶしていく。大会社の事業部長などの裁量ある人が、商売をとるためにダンピングしてしまう。それでも給料は変わらないからだ。利益をきちんと理解できていない人に価格決定権を持たせてはいけない。勝手に価格を下げる上に督促もしないからだ。
安易な値引きで仕事が発生しても、原価割れになる。利益が出なければ正常に原価をかけられない。そうすると品質が悪いものができ、事故や品質のクレームにつながっていく。
質を保って高い値段で正常な利益を確保し、きちんと仕事をとるのが王道である。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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