■第530段　お金と正しく付き合う
　（シリーズ　幸せとは）　平成２７年５月１８日

　次に、ビジネスをするためにも、生活を豊かにするためにも欠かせないお金の欲求について考えてみたいと思います。

　・お金をたくさん稼ぎたい
　・お金をたくさん貯めたい。
　・お金をたくさん使いたい。

　お金を稼ぎたいという欲求は、法人（会社）個人を問わず、すべての人が持っている根本的なものです。会社で言えば、売上を上げたい、個人で言えば、給与をたくさん欲しいということです。お金を稼ぐことによって、ビジネスが行われて、生活を豊かにして行くことができるため、稼ぐことにより、多くの幸せ感を味わうことができます。

　お金を稼ぐことを、さらに延長すると貯めたいにつながります。お金を貯めることにより、会社は内部留保が厚くなり無借金になり、個人は貯蓄が増えて生活が安定し、幸せ感を味わうことができます。

　一方、背反する欲求としてお金を使いたいという欲求があります。この欲求は、さまざまな欲求を解決するために使われます。本社ビルを建てたい、家を建てたい、ベンツに乗りたい、海外旅行に行きたい、高級料理店に行きたい、彼女と結婚したいなど、さまざまな欲求がお金を使うことにより実現され、幸せ感を味わうことができます。

　結果的に、お金を稼ぎ使うという欲求は、他の欲求に比べ、次元の高いものだと言えます。問題は、お金の欲求が強くなり過ぎ、執着になってしまうことです。

　お金を稼ぎたいという欲求が執着になり、人のお役に立ち、感謝されるということとは正反対に、法律などの社会ルール無視して、お金を稼いでいる会社や個人が少なくありません。このような社会的意義のない者は、いずれ稼げなくなり、厳しい競争社会で淘汰されることになります。

　お金を貯めたいという欲求が執着になると、どんどんお金を使わなくなります。日本人は貯蓄率が世界一ですから、この執着が特に強い民族と言えます。

　お金を使わなくなれば、他の欲求が実現できなくなり、生活は豊かになることはありません。ビジネスにおいては、お金を使って、また稼ぐという経済循環で成り立っていますから、貯めるばかり、使わなくなれば、いずれ稼げなくなってしまいます。肥料をやらない畑の収穫は、どんどん落ちて行く訳です。

　ビジネスや生活の安定のための貯蓄は必要ですが、生活を豊かにするため、ビジネスを循環させるために、稼いだお金は、使わなければなりません。

　お金を使いたいという欲求が執着になると、低次な欲求を満たすために、無駄な浪費が行われます。無駄な浪費は今の日本の様に財政が破綻するばかりではありません。低次な欲求の実現は、より高次の欲求と背反していますから、たとえば美味しいものをたくさん食べ過ぎれば、肥満になり体を壊わす原因となります。

　要するに、お金は使わなければなりませんが、その使い方によって、幸せにもなり、不幸にもなるということです。お金は、正しく稼ぎ、貯め、使わなければ、いけません。

　文責　山田　咲道　公認会計士・税理士
　中央区の税理士　エース会計事務所　会社設立できる公認会計士　東京都

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