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第613段 休日出勤が大きな問題
 
シリーズ ブラック問題を考える) 平成30年11月19日

●休日出勤がなければほとんど解消

 週休2日制の企業の場合、休日出勤をしなければ、100時間の残業は物理的に不可能だ。つまり、休日出勤がなく、日中の残業だけであれば、ブラック問題は形式的には解決できる。
 ブラック企業の社員は頻繁に休日出勤しているということだ。本人に能力がなくて仕事が回らず、休日に徹夜仕事をして、長時間残業になるパターンもあるだろう。1日で24時間、2日徹夜すると、それだけで50時間ほどがカウントされる。後は平日に少しずつ残業すれば100時間を超え、完璧にブラック企業になる。

 休日出勤を短期的にどれだけ抑えられるかが、ブラック問題を形式的に発生させないという側面からは重要になる。うちの事務所では日頃、残業がないことをひとつの目標としているが、人が純減したこともあり、12月には休日出勤も多く発生した。会計事務所は年末から非常に忙しいのだ。それを無自覚に放置すると、ブラック企業の仲間入りをしてしまう。年が明け、平日の残業は多いものの休日出勤が減り、ほっとした。

●給料が高いとブラックになる

 私の事務所では、休日出勤を禁止してはいない。時期的に仕事が回らないことがわかっているからだ。もちろん仕事の内容を把握しているし、残業代を稼ごうとしているのではないことも承知している。職員との信頼関係が出来上がっているのである。
 休日も関係なく働くテレビ業界など、マスコミ系はブラック企業体質といえるだろう。ただ、マスコミの場合は、記者を個人事業主にすればいいという解決方法がある。

 過酷な労働環境で働くアナウンサーの待遇を整備していくには絶対数が足りないようだ。現時点でも各社、女子アナが少なくなっている。ブラックな職場はブランドだけでは採用できない時代になり、給料を高くしないと魅力的な人材が来ない、給料が高いとブラックになっていくというジレンマに陥っているはずだ。かといって、給料を下げれば人がとれない。華やかな買手市場に見えるが、実際にはかなり厳しい世界だから、そう簡単には優秀な人材をそろえられないのかもしれない。



 文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
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