■第633段 問題を正しく解決に導く
(シリーズ 不祥事の危機管理) 令和元年9月16日
●合議制でタイミングを図る
偽装、隠蔽、改ざん、捏造。神戸製鋼所の品質データ改ざんや日産自動車の偽装など、多発する不祥事に日本企業のコンプライアンスが揺れている。実際、不適切な行為が社内で発覚したとき、いつどのタイミングで何をいうかを図らなくてはいけない。行き当たりばったりで、ばっと情報が出て拡散してしまうと、一気にだめになってしまう。
危機管理を怠った場合の大きな影響の一つは組織自体が破綻、倒産することだ。二つ目は風評被害である。組織と組織に関与する人たちの風評被害を最もミニマライズするためにどうするか。このことを意識せずに安易に対応している人が圧倒的に多い。
現状認識がきちんとできない、わがままな老人たちがトップマネジメントを担っているケースが増えてきた。危機が起きたときは集団合議体制で物事を決めるべきで、トップが一人で決めてはいけない。みんなで考え、世の中に最適解をぶつけていくべきだ。
●弁護士などのプロに依頼する
2018年8月、体操界にも激震が走った。女子日本代表を指導していた速見佑斗コーチのパワハラ問題が発覚したのだ。世界選手権女子代表候補の宮川紗江選手への速見コーチの暴力行為を複数人が目撃し、報告を受けた日本協会が調査に着手。コーチ本人に聞き取りをし、認めたため、無期限の登録抹消処分に至った。しかし、コーチから暴力を受けた被害選手自身がパワハラを否定する直筆文書を発表し、同コーチの処分を不服として仮処分の申し立てを行い、泥沼の様相となっている。
民事は本人が訴えないと犯罪や損害賠償が成立しないが、刑事事件には本人の意思は関係ない。訴えない限り暴力行為が罰せられないのはおかしなことだからだ。裁判上の情状酌量の余地はあるが、犯罪を犯していないことにはできない。しかし、この問題は、宮川選手が自身を守る立場にある協会幹部のパワハラを訴えるという異常事態に発展した。
一連の行動を支えているのが弁護士の存在だ。危機的状況が発生したら、プロの力を借りるのは大事なことだ。その危機がどれほど大きな影響を持つか、きちんと理解し、自己の利益を守るために、弁護士などのプロに依頼した方がいい。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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