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第688段 月次決算の重要性が増している
 (
テーマ 会計を活用して節税する) 令和4年1月17日

月次決算はなぜ必要か

 日本の企業は通常1年ごとに、上場企業の場合は最低でも四半期ごとに決算を行わなければいけない。会計は四半期決算、年次決算が基本だ。
 上場企業は月次決算も当然行っているが、公開の義務はない。デパートなどの小売系は月次の売上高を公表することが多い。
 なぜ月次決算が必要なのか。四半期決算、年次決算では自社の経営状態をタイミングよく把握できないからだ。また、1年分の領収書や請求書などをまとめて整理すれば作業中にミスが生まれ、自社の売上や利益を正確に把握できなくなる可能性が高まってしまう。

 さらに、昨今では月次支援金や一時支援金など、コロナ対応の支援金が増え、月次決算の重要性が増してきている。月次決算を行うか、最低でも毎月の売上の集計ができていないと、各種支援金の申請ができないからだ。
 コロナ禍だけ特別に月次決算にするのではなく、この機会に通常から月次決算を行うよう心がけた方がいい。月次決算だからこそリアルタイムに提供できるプロ目線のアドバイスがあり、経営に活かすことができる。

助成金・支援金を申請する

 助成金、支援金は星の数ほどある。政府が経済対策のために制度化しただけのダメな補助金もある。実際には使えない形骸化した補助金だ。減税などの税制改正もその手が多い。
 多彩な分野の助成金のすべてを会計事務所がキャッチアップするのは難しい。社会保険労務士は労務関係、会計事務所は会計税務関係と、専門分野に特化してお客さんに案内していくのが現実的だ。助成金関係の情報を網羅したければ、企業は自ら取り組む必要がある。

 面倒だからと企業が月次決算をしないと、会計事務所はなんの情報も得られず、支援金の判定のしようもない。申請すればもらえて、返済の必要もないのに、情報がないというだけで、せっかくの支援金が無駄になってしまう。
 例えば月次支援金は各月最大20万円支給されるため、けっこう大きな金額になる。もらえるものをみすみす見逃すのはもったいないことだ。


 文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
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