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第726段 給料から50%が天引きされている
 (
シリーズ 個人の財産形成) 令和5年8月21日

何歳から財産形成すべきか

 65歳までに老後資金の2,000万円を作るのが難しいのは、税込給与の約半分を国に徴収され、自分の給料が50%になっているからだ。ありえないことである。
 国民負担率は5割に近い数値が続いている。2023年度の見通しでは、税込年収の46.8%が税金と社会保険料で天引きされ、53.2%しか手元に残らない。頭を使って財産形成していかなければ、貧乏老人になってしまう。

 財産形成には何歳から取り組むべきか。早いほどよいので、20歳から始めるのが理想的だ。それが無理なら、30歳ぐらいから考えていくべきだろう。30代は収入も安定し、余裕も出てくるので、財産形成を始めるのによい時期だ。
 40歳から始めても、25年あれば2,000万円を貯められる。45歳から始めると、20年しか残っていないので、少し厳しいが、それでもなんとかできるギリギリのラインだ。50歳を超えると、15年しか残っていないため、やれることが限られるが、やらないよりはいいだろう。理想としては30代から始めたいものだ。

 

賃上げが意味すること

 岸田文雄首相は、民間企業の賃上げに期待を表明したが、人件費が6%上がったとしても、その半分の3%は国に徴収されてしまう。また、毎年6%の賃上げを行った場合、5年後には30%の賃上げに相当し、企業は破綻する可能性がある。
 賃上げを継続的に行うのは企業にとって大きな負担であり、困難だ。企業は人件費を削減するために、リストラやロボット化などの対策を講じざるを得ない。

 サラリーマンは特に負担が大きく、財産形成が難しい。所得税、社会保険料などで約30%が引かれている。消費税を加算すると 給与明細より10%少ない金額しか手元に残らない。これを打破するには、収入を増やすか、支出を減らすしかない。
 さらに私たち一人一人が、まともな政党を見極め、投票し、政治に関与することで、この状況を変えていくことも大切だ。



 文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
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