■第725段 日本の国民負担率は46.8%
(シリーズ 個人の財産形成) 令和5年8月7日
●国民負担率とは何か
老後資金の目標額である2,000万円を65歳までに貯金するのは大変だ。なぜなら、国民負担率が令和5年度の見通しで46.8%だからである。国民負担率とは、国民所得に占める税金や社会保障費の割合をいう。所得税、法人税、消費税など、国民が支払うすべての税金や社会保障費が含まれる。固定資産税、ガソリン税、たばこ税なども入る。
国民負担率は1970年代からほぼ上昇傾向にある。私が開業した平成8年は35.2%だったから、約30年で10%以上も上がった。最近も雇用調整助成金の大規模支出による財源不足の深刻化に伴い、雇用保険料率が今年の4月に0.2%引き上がっている。
税金は政策的な側面から下がることもあるが、社会保障費は増えていく一方だ。国民負担に財政赤字を加えた潜在的な国民負担率は、令和5年度見通しで53.9%にもなる。
●日本は医療費が高すぎる
2019年度の日本の国民負担率は44.4%で、国際比較してみると、OECD加盟36か国中25位だ。アメリカは32.4%(33位)とかなり低いが、国民皆保険制度ではなく、個人の判断で医療保険に入るため、社会保障負担が少ない代わりに、医療費の自己負担はかなり高額になる。国民皆保険制度の日本とは違う。
フィンランドとスウェーデンの国民負担率は61.5%(6位)、56.4%(9位)と日本よりもかなり高く、福祉サービスが充実している。日本は租税負担率よりも社会保障負担率が高く(13位)、北欧諸国のフィンランドやスウェーデンを上回っている。
日本は医療費が一定割合の負担ですむシステムだ。1万円の売上に対して、支払うのが3,000円だと安い気がするせいか、誰も医者に文句をいわないが、実は医療費が高い。実際に1万円を支払い、後から7,000円が戻る制度なら実感できるのかもしれない。患者を慢性的に生み出して商売している医療の実態は、スキームとして破綻している。
2,000万円を貯金したい人は、国民負担率の上昇が貯金の妨げになることを認識すべきだ。国民負担率を下げるために、国民一人一人も無駄な支出を減らすように努め、かかりすぎている医療費に対し、きちんと「高い」と主張しなければいけない。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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