■第728段 リスクの高い選択をする前に
(シリーズ 個人の財産形成) 令和5年9月18日
●家を購入すべきか
日本の企業は人件費の安い東南アジアに生産拠点を移し、日本国内の雇用を減らしている。社員は日本国内に100人しかいないが、東南アジアに1万人という企業が増えていくかもしれない。生活はますます苦しくなり、家を買う余裕がない家庭も増えるだろう。
家を購入するには、一般的に3,000万円程度の借金をする必要がある。金利を1.2%として30年で元利均等返済すると、月々の返済額は10万円程度になる。
年収300万円の人は、毎月の可処分所得19万3,000円から10万円を引くと暮らしていけない。日本の平均的な年収の443万円(令和3年)だとしても、家賃やその他の生活費を差し引くと、手元に残るお金はわずかで、家を買うことは現実的ではない。
年収600万円で月の手取りが37万円あれば返済可能だが、最初から月給50万円の給料をもらえるわけではない。しかも、上場会社はほぼ55歳で役職定年を迎えてしまう。
このような状況で家を買えば、住宅ローンの支払いが重くのしかかり、多くの人にとってリスクの高い選択となる。よく考えて、経済状況に合った選択をすることが大切だ。
●子育ての経済的負担
岸田首相は異次元の少子化対策を打ち出し、こども関連予算を倍増する考えを示しているが、単に児童手当の支給額を拡大するだけではなく、子どもを育てやすい環境を整えるべきだ。子どもがいる家庭は教育費や食費、衣服費など、さまざまな費用が発生する。
2022年度の日本の大学進学率は50%を超えている。親は子どもにいい大学に行ってほしいが、そのために首都圏では塾や私立学校に通わせる必要がある。公立学校のレベルは低下し、学校教育は崩壊しているからだ。子育てには経済的に大きな負担がかかる。
私たち国民は手元に来た給料明細や金額を漫然と眺めるだけで、国から給料の5割を搾取されていることを理解していない。
高校3年生の家庭科授業で金融教育が始まっている。金融庁が公表した金融教材は金融リテラシーを培う要素が網羅され、18歳の新成人に限らず、一読の価値があるという。ゼロ金利下で有利な資産形成をするためにも、リスクを知り、学ぶことが不可欠だ。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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