■第68段 経営者の仲間と共同で事務所を借りるのはどうか?
(テーマ 万難を排して起業する) 平成15年5月12日
●最低2年は拘束される
共同経営が良くないのは第62段、第65段と2回に渡って説明したが、それでは、それぞれが会社を持ち、共同で事務所を借りる(事務所シェア)のはどうだろうか? 単なる場所的な折半ならば悪くない。ひとり事務員を置いて、その人の経費もシェアすることもできるだろう。
ところが、事務所シェアでも問題は起こる。各自の事業規模が固定していればいいが、どんどん変化しているときには馴染まない。
ふたりで事務所を借りたとき、Aさんの受注が増え、従業員を入れなければこなせない量になったとしよう。「いまのスペースではムリだから、新たに事務所を借りたい」となったとき、もうひとりのBさんに伝えると、「出ていかれると困る。空いたスペースをどうするのか?」と責め立てられる。「いいよ」といわれることは、まず考えられない。敷金、礼金のこともあるから、Aさんの会社の規模を拡大できるチャンスが到来しても、泣く泣く諦め、最低2年はいっしょにいなければならなくなる。
共同経営でも、事務所シェアでも、いっしょにやるのは、その瞬間はキャッシュフローを少なくすることはできるが、その後、自由にならなくなる。“しがらみ”を背負って生きる人生になる。
●目先の利益にとらわれると失敗しやすい
こうしたことも考えられる。いっしょに事務所を借りたCさんの会社が傾き、法外な高金利で貸金を行う「闇金融」に手を出して、毎日取り立てがくるようになった。Dさんと共同で使っていた打ち合わせスペースに、頻繁に彼らが出入りしていたとしたらどうだろう。Dさんはお客さんを呼べなくなる。結局、ひとりで事務所を借りたほうが他人の障害を受けず、ムリなく続けられる。
お金がないからといって事務所をシェアするのも、第54段で触れように、中古の応接セットなど備品を買うのと同じく“安物買いの銭失い”になる。
一方、事務所シェアではなく、「タダで入れてくれるところはないか」「間借りしたい」というのもよくある話だ。実際にタダで間借りできるところは少なくないが、すべて“いわくつき”だ。「競売中の倉庫でどうにもならないから、とりあえず使わせてやる」「貸事務所の客が入らないから、とりあえず使わせてやる」。そんなところは、物件がいいはずがない。ずっといられないから、事務所を転々と移転することになる。いずれにしても、安易に飛びつくのはいい結果をもたらさない。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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