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第77段 固定費を減らして損益分岐点を下げる
 (
テーマ 大局から経営を考える) 平成15年7月14日

●損益分岐点とは何か

 損益分岐点とは、費用と利益が同じで、利益も損も出ない売上高のことだ。数式にすると、「y=ax−b」(y=利益、a=変動利益率、x=売上、b=固定費)、つまり、「利益=売上×変動利益率−固定費」になる。

 売上に対して、出た粗利から固定費を引いて、ゼロになるのが損益分岐点だから、「ax=b」(売上×変動利益率=固定費)でもある。最初は売上がゼロだと、固定費ばかりがかかるからマイナス。だんだん売上が大きくなり、固定費を上回れば、利益が出るという計算になる。

 費用には、変動費と固定費の2つがある。変動費は売上に比例しているから、黒字にするためには、固定費を下げればよい。つまり「b=0」にすれば、赤字にならない。固定費を変動費にして、固定費を小さくすることによって、黒字体質をつくることができる。

 固定費で一番大きいのは人件費だから、正社員を雇わず、変動費になるパートタイマーと外注費にすれば、黒字にすることができるというわけだ。ただし現実的には難しいから、正社員はなるべく少なくして、優秀な人を揃えれば利益体質をつくることができる。

●正社員を雇うのではなく、外注を使う

 固定費が少ないほうが、売上が下がっても影響が少なく、利益も出やすいと頭ではわかっていても、よくやりがちなのが、正社員を雇うこと。「仕事が忙しくてこなしきれない。どうすればいいか?」と考えたときに、多くの経営者は人を雇う。

 操業度(キャパシティ)が150%になり、正社員を雇う。その後110%に落ちたら、40%が赤字になる。仕事があるうちはいいが、半分に減れば、超赤字だ。

 その一方、正社員を雇わず、外注を使う方法もある。150%のうち、自分で110%の仕事を一生懸命やり、40%を外注に出す。110%に落ちたら、外注に出さなければいいから、その分の儲けが出て、黒字を維持できる。外注の存在意義は、自分のキャパシティを100%以上に維持することが目的だ。いまは、手間と時間を掛けて従業員を育てる時代ではなくなって来ているから、積極的に外注を活用して、利益を出すことが重要な戦略になっている。

(追記)

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 経費削減 コストダウン論
 ‥‥‥30 固定費を下げれば「損益分岐点」は下がるが…


 文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
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