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第240段 給与は形式的ではなく、実質的な平等を考える
 (
テーマ 商売の王道を知る) 平成18年8月28日

●差別化がお金なのは不幸、後では利益は出ない

 求人広告を出す際に、同業他社と比べて、よい待遇にすれば、優秀な人が集まりやすくなる。ただし、お金の使い方でいうと、弊社は基本的には、専門学校などに通いながら勤められるように、給料を安く設定している。

 その代わり、環境を整えている。きちんとした就業規則もそうだし、事務所の立地や日当たり。9時5時残業なし、ホームページがあり、所長が若いなどもそうだ。

 環境を整えていれば、安い給与でも優秀な人が採用できる。逆に環境が整っていないと、お金でしか差別化できないため、高い給与を出さざるをえない。最寄り駅から徒歩20分、事務所は狭くて、日当たりが悪い……。高い給与を払って、能力の低い人を採用したら、投資効率が悪くなる。

●優秀な従業員の待遇をよくする

 弊社が欲しい人材は給料が安く、潜在能力が高い人。資格を取得したときに、バリバリ働いてもらうための青田買いをしている。ただし、給与が安いといっても、安いのは税理士資格の取得を目指して勉強中の人だけで、それ以外の人は業界の水準以上は支払っている。

 会社としては、優秀な従業員の待遇をよくしたほうがいい。その際、賃金、賞与などを明確にしておかないと、「仕事ができない従業員が遅くまで仕事をして残業代をもらっている。優秀な人よりも手取り額が高いのではないか」といった不満を持つことになる。

 人を雇う企業行動において重要なのは、形式的な平等ではなく、実質的な平等を考えないといけないということだ。人件費としてお金を使うときにも、効率性を追求する。経費削減ではなくて、生産性を上げるために、お金を使うべきだ。


 文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
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(一言)

 いい仕事を、ゆっくり積み上げる。






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