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第399段 会社は道具である
 (
テーマ 大局から経営を考える) 平成21年11月2日

●なぜ会社ができたのか

 世界初の株式会社といわれるオランダの東インド会社は1602年に設立。資本の調達をするために株式を発行。黎明期には、職人、教師、使用人、聖職者まで、あらゆる階層の国民が株券を手にし、東インド会社は巨額の資金を得て、アジアとの交易を発展させることができた。もともとは、中世オランダの漁業で行っていたしくみで、いくつかの漁業組織が共同で出資し、漁船をつくり、その収益を出資率に応じて還元していた。

 巨額な資金の調達をするには、株式会社がもっともふさわしかったわけで、会社という形態がいまなお続いているのは、合理的、機能的な道具だからに他ならない。個人だと借り入れをするぐらいだが、会社ならば日本でも数億円、数兆円という巨額の資金を株式市場から調達することができる。

 このほか、会社には人間のような寿命がないこと。優秀な人を雇って社長というポジションを与え、経営を任せられるという「所有と経営の分離」ができるという3つの利点がある。

●大切なのは株主だけではない

 21世紀前半から「会社は株主の所有物であり、株主の利益の最大化が経営の目標である」というアメリカ型の株主資本主義が入ってきた。「会社は利益を出して、株主に配当するために存在する」という考え方になっている。

 会社の利害関係者は、株主だけではない。それなのに株主に対する富の分配の要求が強くなっていることは大きな問題である。会社は人を便利にする、人を幸せにするための道具ということを忘れてはならない。


 文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
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(一言)

 本末転倒、やめなさい。




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