■第625段 マスコミを面白がらせてはいけない
(シリーズ 不祥事の危機管理) 令和元年5月20日
●日大の悪質タックル事件が提起すること
危機的状況に的確に対応しなければマスコミネタになってしまうという、いくつかの事例がある。まず、日大の悪質タックルの問題だ。
2018年5月6日、アメリカンフットボールの日本大学と関西学院大学の定期戦で、日大の選手が関学大のクオーターバック(QB)に危険なタックルをして、ひざなどに全治3週間のけがを負わせた。関東学生アメリカンフットボール連盟は、日大の内田正人前監督と井上奨前コーチを、最も重い除名処分とすることを決めた。タックルをした選手と日大に対しては、同年度のシーズン終了まで公式試合の出場資格停止処分を課した。
問題の試合から約2週間経った19日に、前監督は反則の指示を自ら行ったかどうかについては具体的な発言をしないまま、謝罪の言葉を述べて辞任を表明した。その後、22日に日大選手が記者会見を開いて謝罪し、前監督と前コーチから反則行為を指示されたことを明らかにした。しかし、両者は翌日に記者会見を開き、指示を否定した。
●歪んだ状況だとマスコミの餌食になる
前監督と前コーチはいま、関東学生アメフト連盟から受けた除名処分に対し、異議申し立てをしているという。選手全員が前監督と前コーチから指示されたと訴え、第三者委員会が認定しているのに、両者は「違う」「指示していない」と主張し続けているのだ。連盟は裁判所とは違うため、異議申し立てが受け付けられないこともある。たとえ受け付けられても、もう一度除名処分を受けたら同じことだ。その間、日大は試合にも出られない。
このおかしな状況は皮肉なことにマスコミ的に面白い。マスコミにとって、会社(企業)、この場合は日大という学校がきちんとするかどうかは関係がなく、テレビや新聞、インターネットに流す記事が面白いかどうかが重要だからだ。面白い記事ネタだと、マスコミがどんどん取り上げ、離れない。面白いというのは、本来あるべき形から歪んでいる状態を指す。日大はその歪みを未だに是正できていないので、記事ネタとなる状態が長く続いてしまっている。前監督と前コーチの筋がずれてしまっているから、問題が収束しない。面白さを求めるマスコミが、ますます囃し立てる羽目になる。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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