■第626段 危機管理の基本とは
(シリーズ 不祥事の危機管理) 令和元年6月3日
●謝罪が大前提
危機管理の基本は謝ることである。きちんと「すみません」と頭を下げてしまえば、マスコミにとって面白くない。「私は悪くない」と言った瞬間に俄然、面白くなってしまう。対立構造になれば余計盛り上がる。謝ってしまえば、「これ以上いじめても仕方ない」という日本的感性が働いて記事にならず、マスコミは自然と離れていく、そういう構造だ。
悪質タックル事件についての日大の曖昧な謝罪は、誠意あるものとはいえなかった。前監督も前コーチも保身の言い訳に走ってしまった。一番いいのは、「私の監督不行届で、あんな風にとれる指示になってしまった。意図しなかったが、結果としてそう伝わってしまい、この行為が行われてしまったことは申し訳ない」と、ファジーな状態で謝ればよかったのだ。不服申し立てなどせずに、ひたすら謝り続ける。「言っていない」などと言い出したら終わり、周囲への口止めなどももってのほかだ。マスコミを甘く見すぎている。
●責任を自覚する
日大の学長は5月25日に記者会見をして対応が後手に回ったことを反省し、謝罪したが、理事長が謝罪の声明文を大学の公式ホームページに掲載したのは、問題発覚後3か月経った8月のことである。記者会見を開いて話す予定はないという。
謝り方にもいろいろあるが、いかにきれいにうまく謝るかが大事だ。謝らない限り、マスコミは離れず、いつまでたっても禊が終わらない。エンドレスだ。世の中やマスコミが聞きたいのは、「すみません、勘弁してください」という言葉だ。それが記事になり、世間に認められれば次に進める。仕切り直しができる。
危機管理は一定のルールで理屈化され、すでに確立されているのに、それを無視して好き勝手なことばかりしているのは不思議としかいいようがない。だから、風評被害が続く。受験生が減り、偏差値も下がり、OBは肩身の狭い思いをすることになる。
ダッシュすれば津波から逃れられたかもしれないのに、ずっと追いかけられ続ければ、やがてどこかで捕まり、波に飲まれることになる。流れには逆らえない。告発され、マスメディアに露出した段階で日大には責任がある。責任がないといった時点でおしまいだ。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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