■第645段 想像力を働かせる
(シリーズ 仕事の順番) 令和2年4月6日
●今日中にハンコが必要?
かなり昔の話だが、本当に呆れた事例がある。
自分の仕事を終え、「今日は飲み会に行く」と出かけた。申告期限間際だったので、所員が申告書を作成中で、仕上げてお客さんのところに持参する予定だったらしい。お客さんの数は多く、個々のスタッフに任せていたため、私には細かい日程はわからない。すると、夜8時ごろ、「所長、すみませんけど、申告書にハンコが欲しいんです」と、飲み会に電話がかかってきた。
お客さんが急いでいるとのことで、ハンコを押すためだけに、飲み会を中座して帰る羽目になった。「飲み会に行くよ」とアピールして5時に事務所を出る段階で、「作成中の書類に所長のハンコが今日中に必要です」と言ってくれれば、アドバイスができた。例えば、ハンコを預けて押してもらうこともできた。また、先にハンコを押しておいた書類に作成したり、事務所に朝一で集合して押印したり、お客さんから事務所に一回戻してもらったものに押印して税務署に提出したり、いろいろ方法があったはずだ。
●段取りを考える
予期せぬ突発的な出来事でもないのに、飲み会にかかってきた電話の時間が夜8時だと、お客さんに連絡のしようもないし、朝一や午前中というリクエストなら日程もずらせない。本人としては残業して作成したのだから所長がハンコを押すのは当然という態度だが、申告書を書き終え、8時になって「ハンコがない」では遅すぎる。もっと早い時間なら、お客さんとのコミュニケーションをやり直せたのだ。自分の業務の先の仕事の想像性が欠落している。出張ではなく東京にいたから帰ってこられたが、恐ろしいことである。
仕事をシングルタスクでしかやらず、その後の段取りを考えないと、人に迷惑をかけることになる。相手が社内ならまだしも、一歩間違えるとお客さんに迷惑がかかるのだ。
当時は事務所を開いて2、3年ぐらいのときで、まだ組織的に確立していない小さい規模だったので、私が帰らないとどうしようもなかった。ひどいコミュニケーションレベルの非常に印象的な仕事として、鮮明に覚えている。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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