■第747段 適正な役員報酬の額とは
(テーマ 会計を活用して節税する) 令和6年7月1日
●役員報酬を検証する
役員報酬1,200万円のケース1、600万円のケース2、300万円のケース3の3社を設定して、具体的に適正金額を検証してみることにする。それぞれ、儲かっている黒字の会社、赤字の会社、トントンの会社で、3社とも役員報酬以外の売上、原価、経費等は、同一とする。
税引前当期利益が600万円の黒字会社の場合は、ケース1のように年収1,200万円くらいの社長が多いのではないだろうか。賞与なしで月100万円、賞与を含めると、月70、80万円ぐらいだ。通常の上場会社の部長クラスでも、この程度はもらっているので、特別に高い金額ではない。月50万円、年収600万円でも妥当な金額だろう。利益が出ているのに、新入社員クラスの年収300万円では少なすぎる。
●コストにどれだけの差が開くか
税引前当期損失が600万円の赤字の会社では、役員報酬1,200万円(ケース1)を300万円(ケース3)に下げれば黒字になる。役員報酬で900万円プラス、会社負担分の社会保険料も減って利益が増える。税引前当期利益は400万円、税金を払っても300万円弱の黒字だ。
600万円の赤字のケース1は会社負担の社会保険料150万円に加えて、社長個人の負担額が350万円だ。赤字でも社会保険や所得税はかかるので、個人と会社を合わせて500万円のコストを負担することになる。一方、ケース3は、会社負担の社会保険料が50万円で、150万円のケース1より100万円も安い。利益を出しているため、30%の法人税で120万円の税金となるが、個人負担は67万円、会社との合計は230万円で済む。
赤字のケース1と黒字のケース3の会社の実態は何も変わっていない。会社としての商売が増えた、減ったなどは一切ない。ただ役員報酬を減らしただけだ。600万円の赤字の状態は帝国データバンクの点数的には40点台のボロ会社だが、ケース3は黒字なので、安定的に3年間ほど経営すれば、50点を超えられるだろう。会社の信用はすべてに影響してくる。その重要性を理解していない社長はアウトだ。なんとしても事業を黒字化する、まずはそれが一番大事なことだ。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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