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第755段 誰がふるさと納税を活用すべきか
 (
シリーズ ふるさと納税活用術) 令和6年11月4日

ふるさと納税すべき人

 ふるさと納税を利用しない方がよい人もいる。
例えば、妻が専業で収入(所得)がない、あるいは所得が100万円ぐらいで扶養の範囲内など、一定水準以下の場合には、ふるさと納税をする意味がない。ふるさと納税はあくまで税金を通じた還付スキームなので、税控除の対象となる所得税や住民税の支払いがない場合は、控除できないからだ。

 住民税非課税の場合を除き、夫も妻もそれぞれふるさと納税をした方がいい。2千円控除した金額が翌年度の住民税から控除され、返礼品の分だけ得をする。3割相当分の生活必需品をもらって現金化可能ということは、その分の現金が浮いてプラスになるということだ。例えば、10万円をふるさと納税したら、2千円を引いた9万8千円の住民税が減る。そのうえ、3万円の返礼品ももらえる。

 高額納税者ほどパフォーマンスが高いので、高所得者はみな確実に活用している制度だ。貧乏人はどんどん貧乏に、金持ちはどんどん金持ちになる、所得格差を広げる典型的なスキームと言えるだろう。

限度額内で寄附

 ふるさと納税には限度額があり、年収や家族構成によって変わる。
単身の場合、年収1,200万円、600万円、300万円の場合の限度額は、24万4千円、7万6千円、2万7千円だ。ウェブサイトで簡単に計算できる。いまの時代、標準的な給与所得者の年収を大体300万円くらいと想定すると、限度額は2万7千円だ。

 2万7千円をふるさと納税すると、3割相当が返礼品としてもらえて、住民税が翌年度に2万5千円も安くなる。正確には所得税と住民税を合わせて2万5千円が控除されるので、損はない。自己負担額は2千円だけだ。国が唯一作ってくれている還付スキームだから、使わないのはもったいない。はっきり言うと損だ。一生のことだから、毎年きっちり活用した方がいい。


 文責 山田 咲道 公認会計士・税理士

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