■第760段 ふるさと納税の問題点
(シリーズ ふるさと納税活用術) 令和7年1月20日
●控除の時期が遅い
ふるさと納税は税金控除の時期が遅い。所得税は当年度の確定申告で還付されるが、残りの分が住民税から引かれるのは翌年6月だ。1月にふるさと納税をすると、ほぼ1年半後の6月に戻ってくる。1年半も立て替えなければいけない。さらに、寄附した額が直接現金で返ってくるわけではなく、住民税の額が少なくなるだけだ。目に見えて戻ってきた感じがしないので、得した実感が湧きにくい。実際は、限度額以内なら2千円の持ち出しですんでいるのに、損した気分になりがちだ。
また、ふるさと納税でいくら安くなっているかがわかりづらい。
知らない間にどんどん増えていく実質負担率のように、天引きされているから仕方ないと諦めてしまい、自分の所得税や住民税を正しく把握していない人が多いのではないだろうか。30年ほど昔、初任給から税金、社会保険料などが3割も引かれて悔しかった覚えがあるが、いまは恐ろしいことに5割も引かれているのだ。
●住民税を前払いする
ふるさと納税は、住民税を前払いしていると考えればわかりやすい。前払いした結果、お礼をもらう感覚だ。先払いで得するか後払いにするか、納得できる方を選べばよい。国民年金には前納制度があり、前納したら割引になる。Amazonプライムの会費なども1年間分をまとめて先に支払った方がお得だ。Amazonを月2、3回程度、日常的に使っているなら、Amazonプライムに入るべきだろう。配送料が圧倒的に安く、届くのが早い。会費は月額600円だが、年払いなら5,900円と1,300円も安い。
「ふるさと納税は牛肉をタダ同然でもらえてお得です。税金も戻ってきます」と言われても、何がどう得なのか悩んで、一歩を踏み出せない人が多いと聞く。
NISAにも言えることだが、国の提唱するものはやらないほうがいい、騙されるなという風潮もある。実際に騙し討ちのようなスキームも存在するからややこしいが、全否定、全肯定する必要はなく、肝心なのは使いようだ。年金の前納に近い、お金が残るスキームだと正しく理解して使いこなすことが重要である。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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