■第170段 孫オーナーと王監督1
(テーマ 従業員をうまく仕切る) 平成17年4月25日
●孫社長と王監督の会話
プロ野球の福岡ダイエーホークスをソフトバンクが買収することで合意後、2004年11月26日に孫正義社長と王貞治監督が都内のホテルで会談した。翌日その記事が、日経新聞に掲載された。
私がまず注目したのは、孫社長が王監督に送った言葉だ。
「体の続く限り監督をやっていただきたい。それが無理になってもゼネラルマネージャー(GM)を」
王監督は、それに答えて
「今、チームの内部はうまくいっているので、日本一奪還に向けて頑張る」。
さらに孫社長は
「野球に関して我々は素人。世界で最高の野球を愛し、知る人がそばにいるんだから、お任せしたい。監督が思う存分環境をつくるのが、我々の仕事」。
孫社長の最後の台詞が、経営の基本だ。ソフトバンクグループは800社ある。国内500社、海外300社あり、現場で動いているのは各会社の社員だから、社長に経営を任すしかない。「グループ会社で使ってやっている」という発想は論外だ。
優秀な社長にグループ企業を経営してもらっているという発想。この発想で王監督に任せると最初に明言している、これが、第一のポイントである。
しかし、孫社長がそういう人なのか? 本当に、全面的にバックアップをするのか? これが、第二のポイントである。
●気持ちよく働かせるための演出
第一のポイントは直球なのに対し、第二のポイントはカーブなため、その意図がわかりにくい。「孫社長は、王監督を気持ちよく働かせるための演出をしている」のである。
孫社長は王監督にいっているが、実はマスコミに訴えている台詞だ。新聞に掲載されるだろうなと間接効果を計算している。
孫社長は、ワンマン経営で有名だ。経営はそれぞれの社長に任せているものの、方向転換は頻繁で、それに従わざるをえない。
プロ野球でも結果が残せなければ、ある日、突然、王監督でも首を切る。GMにもなれない可能性がある。孫社長は、気持ちではなくて、計算していっている。計算は当たり前で、何のおもしろ味もないが、それが経営の基本だ。
成績が悪いのに監督を切らなかったら、経営者ではない。会社もうまく動かない。しかし、最初に人を気持ちよく120%を働かせようと思ったら、この方法がベストだ。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
(一言)
計算して、振る舞うの。
よろしければ、ぜひご購読をお申し込み下さい(Presented By )
サイト内検索
〒104−0045
東京都中央区築地2丁目11番9号RBM築地駅前ビル6階(地図)
TEL 03−3516−8941 FAX 03−6740−1328
E−Mail ace@jobtheory.com
URL https://www.jobtheory.com/
会社経営とは 戦う経営ブログ 社長の道!『仕事の徒然草』
前段へ 次段へ
TOP サイト内検索 テーマ別 日付順(No順) 最新号
|