■第380段 総論賛成、各論反対になる理由
(テーマ 従業員をうまく仕切る) 平成21年5月4日
●従業員の退職を恐れる社長は甘くなる
品質管理や業務改善などでは、「PDCAサイクル」というPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のステップを踏んでいくマネジメント手法がある。
社長が厳しく指示・命令して従業員が退職することを恐れると、総論賛成、各論反対になりやすい。甘やかし企業風土になっているということだ。
社長は細かい指示をしないで「頼むよ」と任せる。あるいは会議で決まったことは、当然行うだろうと思い、管理職に「やっているか?」と聞くような指導をしていない。社長は決して忘れることはないが、「どうしてみんなは、やってくれないんだろう」とひとりで悩む――。これではPlanで終わっている。
●社長が怖いと従業員は本音を隠す
一方、怖い社長だと、指示・命令に対して「できません」といえずに、「わかりました」といって何もしないことが起こりやすい。「お前、何をやっていたんだ」と社長に怒鳴られるのはわかっていても、その場を繕うために、良い返事をするというわけだ。これもPlanで終わりである。
このようなワンマン社長だと、従業員は「はいはい」と聞き流すことが習慣となり、妙な緊張感があり、ギクシャクした組織になりやすい。
「PDCAサイクル」をきちんと回すには、社長あるいは管理職が要所要所で「やっているか? どうだ調子は?」とDoしているのかをCheckして、なだめすかせながら、怒りながら、お願いしながら、Actionまでもっていく必要がある。指示・命令をどれだけ通せるか――。そういう意識を社長はじめ幹部が持つことで、活気がある空気、躍動的な空気が生まれる。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
(一言)
やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば、人は動かじ。(山本五十六)
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